Friday, September 26, 2014

イランへの最安航空券購入をめざす2014

 イランへの旅立ちが2週間後に迫っている。帰るときは未定なので、片道を買わなければならない。検索の末、ほぼ最安で行ける航空券を買った。いくら安いといっても経由が多すぎたり、時間がかかりすぎたりするのは避けたいものだ。  
 普通に片道で探すとアエロフロートの¥76,000が安い。ただ、これはテヘランに夜中につくというのが難点だった。そこで、テヘランに乗り入れているLCCを探し、シャルジャアから出ているエアアラビアと、ドバイから出ているフライドバイが候補に挙がった。それぞれ、¥13,000、¥15,000だ。
 そこで問題はいかにドバイまで行くかということだ。エミレーツ片道ではドバイまで¥72,000だ。エティハド航空は、アブダビ、そしてドバイの街までの無料シャトルバスで、¥50,000だ。このエティハド航空は、夜に成田を発ち、早朝のアブダビに着く。そこで3時間ほどバスを待たなければならないが、ドバイの街に出てからメトロで空港まで行ける。シャルジャア空港まで行くプランも考えたが時間的にリスキーなので、今回はフライドバイを選んだ。テヘランには2時半に着く。  
 というわけで、このチケットを買えば65000円でテヘランまで行ける。

Monday, August 25, 2014

ISを巡る言説の問題によせて

twitterでイラク・シリアにおけるISの論理を紹介している中田先生や内藤先生を、「反米」や「IS擁護論」、「相対主義」に矮小化して批判し、ISの処刑方法の残虐さだけ着目し、イスラムフォビアを再生産するだけのツイートが散見されるにつけ、そうじゃないだろうとの思いが募る。修論で取り組んだり、今考えている人類学的な問題と重なるので書いておきたい。
 一見寛容な説明として、「彼ら(IS)はイスラームの名を借りたテロ集団で、多くのムスリムはそうではないんだ」、という語り口がある。これは、理解不可能なものをテロとして切り捨て、イスラームをその理解不可能さの原因としないという点ではイスラームに対して寛容である。実際現代の多くのムスリムもそのように語るだろう。
 しかし、こうした語り口が排除する部分にも目を向ける必要があるという議論をしたのが人類学者のタラルアサドだ。何を排除しているのかといえば「世俗主義」の外部だ。30年戦争以後、西欧で生まれた思想である「世俗主義」は残虐性の排除を掲げ、近代民主主義国家の原則となってきた。「世俗主義」のもとでは、宗教は私的な信念の問題とされ、公的な場には持ち込まないことを是としてきたのだ。『世俗の形成』では、寛容を自称する「世俗主義」のもとで行われる様々な形の暴力について考察されている。
 これを踏まえれば、ISの残虐さを攻め立てるだけではなく、彼らの論理にも目を向けると同時に、「世俗主義」下の暴力にも目を向け、「われわれ」自身の認識を問い直さなければならないはずだ。
 とはいえ、ここが誤解を招きやすいので書かなければならないが、アサドは世俗主義の暴力が他の暴力と同列だとか、世俗主義とは別のやり方がある、と言い切る相対主義の立場にたっているわけではないということだ。彼自身も「世俗主義」の内部に留まっていることを自覚している、というか自覚しているがゆえに、より寛容な道を探ろうとしているのである。ハーバーマスも近年、宗教と社会の相互学習を提唱したが、これはアサド的な世俗主義批判を経由してこそ成り立つ話だ。
 というわけで、はじめに戻れば、中田先生や内藤先生のツイートを矮小化することは、「世俗主義」の自己認識を保持したまま、それに当てはまらないものを排除する短絡的な思考にすぎず、ISの論理にも目を向け、同時に「世俗主義」を問い直していく姿勢が必要だ。(ついでに言えばこの姿勢こそが、人類学で近年提唱されている、「存在論的転換」や「ポストプルーラル」なんだ、といいたい。)

この話のとっかかりとして、『グローバル権力から世界を取り戻すための13人の提言』の中のアサドのインタビューは読みやすいのでおすすめ。

追記

ところで、あと一つ問題なのは、「残虐だからけしからん!」というわれわれの非難のうちに、「既存の国家間秩序における利益を脅かすからけしからん」が入り込んでること。イラン革命が世界で受け入れられないのもその点だし、ISは一国革命にとどまらないからなおさらなんだが。
たしかにわれわれのいまある状態が世界における富の不均衡に成り立ってるとして、それを維持しようというのもわかるが、ならそれを主張して、残虐をなくそう、とか自由だ民主主義だ、と美名の下にごまかすべきじゃないと思う。

Saturday, June 14, 2014

テヘラン下町グルメ①~内臓のキャバーブ

 イランの首都テヘランの大バザールがある南部の地域は、住民の所得が比較的低いと言われ、治安もあんまりよくないという話を聞いたことがある。
 とはいえ、それは新興住宅地に住む人々の偏見に基づいる。実際に行ってみると、下町の人情味あふれる人々にあふれていて、イランの他の都市にあってテヘランにないようなイランらしさがある。

 バザールの南にあるモラヴィーという地下鉄の駅の近くで食べ物屋を探していたとき、住んでいた寮のあるエンゲラーブ広場のあたりでは見かけない肉の串を見つけた。羊の大腸である。以前もつ鍋を作ろうと思い、肉屋に聞いたところ、ないと言われたのであるが、南部では食べるのだ。大腸は通称ホシュ・グーシュト[良い肉]と呼ばれいる。

 日本でもグロテスクだなんだ、といってホルモンを嫌う人もいるけれど、イランでも同じような反応をする人がいた。けれど内臓はうまいと思う。
実際に動物を屠殺して食べるという場面になったら、普段食べるような肉の部位だけではなくて、内臓、骨などあらゆる部分をなんとかして食べようと思うだろうし、実際あそのようにして、スープのだしとり、とか内臓料理が、いろいろな地域で食文化として発展してきたのだろうと想像する。





Tuesday, May 27, 2014

Curriculum Vitae

Kenichi TANI

Education
2007. Apr.  - 2011. Mar.  Keio University, Tokyo, Japan
2011. Apr.  - 2013. Mar.  Hitotsubashi University, Tokyo, Japan

Persian Language course
2013. Jul.  -  2014. Mar. International Center for Persian Studies

Degrees
2011. Bachelor of Arts (Sociology), Faculty of Letters, Keio University
2013. Master of Social Science (Social Anthropology), Graduate School of Social Science,
Hitotsubashi University.

Work Experiences
Oct. 2012 – Jan. 2013 Part-time Teaching Assistant (Social Anthropology)
Hitotsubashi University

Academic Publications
Book review
Kenichi TANI, 2013, “Saba Mahmood Politics of Piety: The Islamic
Revival and the Feminist Subject”, Kunitachi-Jinruigaku 8: 19–25. (in Japanese)

Monday, May 26, 2014

経歴・業績(日本語)

谷 憲一

所属
一橋大学大学院社会学研究科 社会人類学共同研究室

連絡先
ken1-anthro[at]uni.de

研究領域
社会人類学 イラン研究 

研究課題
・イランにおけるシーア派宗教実践の民族誌
・イスラーム復興、ポスト世俗主義に関する議論の再検討
・人類学理論

研究業績

論文
(査読有)

2013 「Saba Mahmood著 Politics of Piety: the Islamic Revival and the Feminist Subject」(書評)、『くにたち人類学研究』、くにたち人類学会、vol.8、 pp. 19–25。

2015a 「世俗主義批判の射程:イスラーム復興に関する人類学の最前線」(研究展望)、『文化人類学』、日本文化人類学会、79巻、4号、pp. 417- 428。

2015b 「『コスモロジー』研究と世俗主義批判:人類学的相対化の複層性という観点から」(研究ノート)、『くにたち人類学研究』、くにたち人類学会、vol.10、pp. 24-40。

2016 「書評 黒田賢治著 『イランにおける宗教と国家―現代シーア派の実相―』」、『イラン研究』、関西イラン研究会、第12号、pp.140-149。

学会・口頭発表

2013.3.16「敬虔なムスリムと『近代性』:世俗主義批判としてのイスラームの人類学とその射程」、日本文化人類学会 関東地区懇談会、(於・首都大学東京南大沢キャンパス)

2014.7.31「イスラーム研究における存在論的転換:世俗主義の「他者」の探求に向けて」、筑波人類学ワークショップ002、(於・筑波大学館山研修所)

2016.11.25「テヘラン・ジェイ地区におけるシーア派イスラームの宗教実践に関する人類学的研究:ホセインの追悼儀礼を中心に」、第862回 東京都立大学・首都大学東京社会人類学研究会(於・首都大学東京南大沢キャンパス)

調査歴
2013.7-2014.3 イラン、テヘランにて長期調査のための語学学習(ロガトナーメ・デホダー校にてペルシア語上級Ⅰまで修了)および予備調査

教育歴
2012.10–2013.1 一橋大学大学院社会学研究科TA(「社会人類学特論」)

学歴
2007.4 慶應義塾大学文学部入学
2011.3 慶應義塾大学文学部人文社会学科社会学専攻修了
2011.4 一橋大学大学院社会学研究科修士課程入学
2013.4 同課程修了
2013.4 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程進学
2014.10 テヘラン大学世界研究学部イラン学専攻修士課程入学

学位
修士号(2013年 社会学修士、一橋大学)

研究助成/その他
2013 科学研究費補助金、基盤研究A、 「『再帰的』思考と実践の多様性に関する人類学的研究」(研究代表者:大杉高司)を利用
2014 松下幸之助記念財団 研究助成、「現代イランにおける「世俗化」とイスラーム復興に関する人類学的研究―敬虔なムスリムの集会活動に着目して―」
2016- 日本学術振興会特別研究員(DC2)